織ネーム(タグ)の歴史と織機

織ネーム(タグ)の特徴と歴史

織ネームとは織マークとも呼ばれており、衣類などの首の後ろや脇部分に付いているタグのことです。
タテ糸にヨコ糸を1本1本織り込むことで、ロゴなどのデザインを表現します。
立体感があり、鮮やかな発色と自然な光沢、そして丈夫で長持ちするのが織ネームの特徴です。

織ネームの歴史は、100年以上前にさかのぼります。
イギリスから伝承された技術を元に1911年頃、兵庫県で考案された織ネーム(タグ)の仕組みは、以降、
工業製品として進化していくことになります。

昔の手織り機の画像

▲当初の織ネームの手織り機

当初手織りだった機械も1935年~1938年頃になると、手織り機から、機械の動力を使ったシャトル織機に変わり、
大幅に生産性とクオリティを向上させていきます。
PCのハード、ソフト面の進歩に伴い、シャトル機のデジタル化が進む一方で、より高速に大量生産化できるレピア機が登場し
織ネーム(タグ)市場を変えていきました。
織ネーム(タグ)の歴史は、非常に変動が激しく、一時期は生産の限界を超えるほどの大量の海外需要を得ていた時期もあれば、
休業する業者が続出するような時期もありました。
それは言い換えれば、様々な需要に応えつつ、新しい市場を常に探し求めてきた歴史でもあります。
多品種少ロットが求められる現代において、可能な限りコストを抑えつつ、
古き良き織ネーム(タグ)ならではの独特の風合いを少しでも多くの方にお届けできればと思っています。

織ネーム(タグ)の織機

シャトル機

織ネーム(タグ)を織る機械を織機と言います。
その織機には、シャトル機とレピア機という名前の2種類の機械があり、pecheでは、高速生産向きのレピア機ではなく、
手間暇をかけ、古くから使われているシャトル機で織ったネーム(タグ)を提供しています。
それは、レピア機よりもシャトル機の方が、ネーム(タグ)作成に必要なコストが低いためと、淵の仕上りが柔らかく直接肌に触れる
ネーム(タグ)に向いていると考えるからです。
特に、シャトル機の織ネーム(タグ)ならではの独特の風合いは、シャトルを使って織りこむシャトル機の構造からきていると言われています。

シャトル機の最初の頃は、ロゴなどのデザインを表現するために、紋紙(もんがみ)と呼ばれるボール紙のような板が使われていました。
下の画像に、たくさんの穴が明いた短冊状に連なった板がありますが、これが紋紙です。

紋紙の画像

この紋紙で、織機のタテ糸の上下やヨコ糸の動きをコントロールします。
当初はこの紋紙を使う織機がメインでしたが、今では、データでコントロールする織機も使われています。

柄や模様の表現はヨコ糸で表現していくのですが、多種多様なデザインや色に対応できるよう何百種類の糸を扱います。
織り方も様々な織り方があり、どの織り方をするかで雰囲気の異なったネームを作ることができます。
代表的な織り方として、摩擦に強く応用範囲が広い平織りと、光沢が強く高級品に使われることの多い朱子織、
そして綾織がありますが、これについてはまた他のページでご紹介したいと思います。

下記ページもご参照ください。

◆動画 織ネームの織機と歴史

<参考>
『基礎技法講座 織物の用具と使い方』 編:技法叢書編集室 1980年 美術出版社
『染織の文化史』 藤井守一、理工学社
トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館
「織物を製織するための機械の総称」(出典:特許庁「意匠登録カード」)

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